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ある仮説

ネットを徘徊していたら。
こんな画像を見付けました。









なるほど。
これは興味深いかも。




皆さんはどう思われますか?
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さよならのかわりに

子供の頃は意味も良くわからず、ただ何となく口ずさんでいた当時の流行歌。




それらの曲を今改めて聴くと、大人になった今だからこそ理解出来る、胸に沁みて来る…。
誰に取っても、そのような曲がいくつかはあるのではないかと思います。




つい最近、私自身もそんな曲と再会しました。
山口百恵さんの1980年のヒット曲「さよならの向う側」です。
三浦友和氏との結婚を発表した百恵さんは、この曲をラストシングルとして芸能界を去りました。




当時の百恵さんは弱冠21歳。
この「さよならの向う側」の歌詞を読めば読むほど、こんなにも奥深い詞をまだ21歳の女の子があそこまで情感を込めて歌い上げていた事が奇跡のように思われます。




果たして、山口百恵とはどういう歌手だったのか。




1959年1月17日生まれの百恵さん。
西洋占星術では山羊座生まれ。
これは、出生時のホロスコープの太陽が山羊座の位置にあったという事を意味します。
太陽はその人の人生におけるテーマや、どういう形で自己実現を果たすのかを表す星です。
太陽が山羊座にある百恵さんの自己実現とは、
「誰もが認める形での社会的成功」
であるというのが西洋占星術的見解となります。





それに対して、内面的な感情の方向性を表す月は牡羊座にあります。
山羊座と牡羊座は反発し合う相性の星座です。
牡羊座にある月は、
「何者にも屈しない強い意志とまっすぐな心」
を表します。




山口百恵という人は恐らく、芸能界という競争社会の中で自分自身が埋もれてしまわないよう最大限の自己主張をしながらも、自分が周囲からどのような歌手像を期待されているのかをきちんと把握していたのだと思います。
これはかなりの自己コントロール力・自己分析力を要求される事です。
周囲の大人は、十代のアイドルとはとても思えない冷徹さを彼女に感じ取っていた事でしょう。




さらに、彼女のホロスコープには、水瓶座の金星・牡牛座の火星・獅子座の天王星を結んだ「Tスクエア」という座相が見受けられます。
これは、特に女性ならば性的なスキャンダルに見舞われたりする配置です。
それだけ異性から見て魅力的に映る座相と言えるのですが、本人の意思はそれに振り回される事が多いと考えられます。




デビュー間もない頃の、純朴なルックスの百恵さんが「青い果実」や「ひと夏の経験」などの過激な内容の歌を歌うギャップは当時、とてもセンセーショナルなものでした。
そのような売り出し方をされた当の百恵さん自身も、その手の曲を歌わされる事にやはり抵抗があったと聞きますし、当時の年輩の方々はそんな歌を歌う百恵さんを毛嫌いする人も多かったようです。




でも十代半ばにしてそのようなイメージを押し付けられるばかりでなく、自ら受け入れて吸収してしまったところに山口百恵という歌手の凄さがありました。
もし百恵さんの自我がそこまで確立されておらず、もっと十代の女の子らしい不安定さで満たされていたならば、性的にふしだらな女の子というレッテルを貼られただけであっという間に芸能界からフェイドアウトしていたでしょう。





彼女はスキャンダラスなイメージをも自己表現のバリエーションにしてしまい、最終的に“成熟した大人の女性”という属性を勝ち得ました。
十代のうちに、です。




百恵さんの歌手としての活動期間は実質7、8年といったところです。
しかしその7、8年の何と濃密な事か。




でも逆に考えたら、その濃密な7、8年で歌手としての完成形に達した事からこそ、彼女は潔く芸能界を引退出来たのです。




彼女の引退当時は、その選択について
「山口百恵は仕事よりも家庭に入る事を選んだ古風な女性だ」
という論調だらけでした。
しかし彼女のホロスコープを見ると、とてもそうは思えないのです。
結婚したら女は仕事とはすっぱり縁を切るもの、という当時の価値観を丸ごと盲信していた従順なだけの女性とは到底考えられないのです。




自分は歌手として、すべてを表現し尽くした。
もう芸能界にいる意味はなくなった。
自分自身にそういう判断を下したからこそ、結婚を決めた時点での引退という選択肢につながったのではないかと思われます。
もし友和氏との結婚が決まっていなくても、恐らくあの段階での彼女の引退の意志は揺らがなかったでしょうし、また歌手としてまだ自分自身に可能性を感じていたならば、彼女は結婚後も歌手を続けていたはずです。




山口百恵という人は、そんな女性だったんじゃないかと思うのです。




そう考えて行くと、この山口百恵という女性の生き方はまだまだ今の女性が生きて行く上でのヒントを与えてくれそうです。
決して過去の人なんかじゃない気がします。




「さよならの向う側」はその後、数多くのアーティストにカバーされています。
が、そのアーティスト達は当時の彼女よりも遥かに年齢を重ねた人ばかりです。




ある程度の人生経験を重ねなければ歌えない曲を、二十歳そこそこで自分のものにしてしまった山口百恵。
改めて、すごい人だったんだと痛感しています。

さよならの向う側 山口百恵 歌詞情報 - 歌ネット Touch